平家琵琶の豆知識

平家琵琶の相伝者の立場から、やや専門的な解説をするブログです

伝承者

頼山陽

頼山陽は幕末の京都において平曲の伝承に関わっています。 『平家音楽史』p.565前後に、京都において平曲を学んだ者の名前が列記されています。これは『平安人物志(文政13年版)』「平語」の項目を引用したものであり、国際日本文化研究センターのデータベ…

深川照阿

『平家音楽史』p.475〜に深川照阿について紹介されています。 第五 深川照阿 一 深川氏麻岡宗匠の直門人と自称す 明治41年1月発行「歌舞音曲雑誌」に載せたる深川氏の談(以下、長いので要約のみ) 深川照阿は天保4年に幕府寺社奉行支配下にして御連歌の家に…

麻岡検校長歳一

福地桜痴の話が宙ぶらりんのままですが、麻岡検校について紹介しておきます。 『平家音楽史』第三十九章 山本検校門人 第一 江戸平家正節流の祖 兼業麻岡長歳一(江戸第六世の宗匠) 一 検校次男麻岡眞三郎直話の一 清水を改めて清川と為り清川を改めて麻岡…

福地桜痴について(その1)

江戸末期、津軽順承公や楠美太素の師匠であった麻岡検校には「春之一」という優秀な弟子がありました。 春之一は明治維新後、当道制度の崩壊と共に当道座に所属する盲人であることを示す「一」名を名乗るのをやめ、原口喜運と名乗ります。原口喜運は有志の招…

館山漸之進と私のこと

質問をいただきましたので、ここに記しておきます。 弘前藩士だった私の先祖の楠美則徳(くすみのりよし)と、その孫である楠美太素(たいそ)は、参勤交代を利用して、江戸において平家琵琶を修得しました。 楠美太素の三男である館山漸之進(ぜんのしん)…