平家琵琶の豆知識

平家琵琶の相伝者の立場から、やや専門的な解説をするブログです

連れ平家の補足

上で述べた連れ平家を「語り分け(かたりわけ)」「掛合(かけあい)」という例もあるようです。
『平家音楽史』に「平家曲節考」という資料からの引用として

助音をするは、我を忘て導に従ひ、位もなく、軽く語るなり。軽きとて早きは悪し、導師は美しく伸び伸びと位をあらせて語るなり、去りとて、したるきは悪し。歌に「音曲は軽き心ぞよかりける重きも悪ししたるきも憂し」

とあります。
助音は脇のこと。位とは登場人物を考えて語ること。シタルキの語源は枝垂れのようですが、じめじめ・だらだら語ること。つまり、導師が主役であり、脇は導師の個性を損ねないように目立たないように語るということです。