平家琵琶の豆知識

平家琵琶の相伝者の立場から、やや専門的な解説をするブログです

受容

武田信玄が聴いた平家琵琶

上杉謙信のみならず、武田信玄も平家琵琶を聴いています。 『平家音楽史』には、「音楽利害」にあった「続古事談」からの引用なるものが記されています。 武田信玄、一夜諸将を会す、馬場信房、内藤昌豊、高坂昌信、山形昌景、土屋昌次、等皆其中に在り。偶…

上杉謙信が聴いた平家琵琶

平家琵琶は、どのようなところで演奏されてきたのでしょうか。 小泉八雲が創作した「耳なし芳一」の話を思い出してみてください。芳一は、夜な夜な“貴族の屋敷”に出かけて演奏していますよね。これなんです。(小泉八雲は、盲人にまつわる複数の怪談を集めて…

伝授謝礼のこと(安政年間)

『平家音楽史』には、安政年間に弘前藩士・楠美太素(くすみたいそ)が参勤交代で江戸に上った折、麻岡検校より平家琵琶を学んだときの記録が出ています。 太素は則徳の嫡孫です。弘前において、則徳から平家琵琶を習った工藤行敏(繁治)から手ほどきを受け…

討ち入りと平家琵琶

江戸時代には、茶人たちも平家琵琶を嗜みました。 たとえば、千宗旦の弟子である茶人の山田宗へん(そうへん:「へん」は“にんべん”+扁)は平家琵琶への造詣が深く、自ら五十数面の琵琶を製作したといいます。 また、茶会のとき、茶室の外に待つ来客を迎え…