平家琵琶の豆知識

平家琵琶の相伝者の立場から、やや専門的な解説をするブログです

琵琶の種類

詳しくは平家詞曲研究室に記してあります。ここではごく簡単に。
琵琶が日本に伝来したのは奈良時代に遡ると考えられています。
その後、いくつかの種類の琵琶が日本において生まれ、現代まで伝えられています。流派が違うのではなく、成立背景や楽器そのものの構造が違いますので、ジャンルが異なると表現するべきかもしれません。

  • 楽琵琶(楽器内部の空洞が少ないため重い)
    • 楽琵琶(がくびわ):雅楽で用いる琵琶。『陰陽師』で一躍人気者になった源博雅が弾いているのが、これ。
    • 平家琵琶(へいけびわ):平家物語を語るための琵琶。楽器の構造面では楽琵琶と同一。平家物語の詞(ことば)を語ることが優先なので、楽器を弾く場面は極端に少ない。
  • 盲僧琵琶(楽器内部の空洞が大きいため軽い)
    • 盲僧琵琶(もうそうびわ):かまど祓いの読経などのとき、伴奏に用いる琵琶。薩摩盲僧、筑前盲僧、肥後盲僧などがある。
    • 薩摩琵琶(さつまびわ):室町時代以降、薩摩藩の武士が軍記物を語るのに用いた。大きな撥が特徴。勇ましいイメージ。
    • 筑前琵琶(ちくぜんびわ):明治以降、筑前盲僧に薩摩琵琶や三味線の要素を採り入れた琵琶。華やかなイメージ。

この説明だけでは聊か不十分ですが、「なんだか、いろんな種類があるんだな」と思って下されば幸いです。

なお、筑前琵琶については、私のホームページと相互リンクしているBiwa to You 琵琶のホームページにも、はてなDiaryを利用したhttp://d.hatena.ne.jp/biwa2u/がありますので、ぜひご参照ください。